2ちゃんねる(2ch.sc)や5ちゃんねる(5ch.net)では悪質な誹謗中傷が行われる例が多々あります。権利侵害を受けた場合には、投稿の削除請求を行いましょう。
ただし、管理人に削除依頼を出しても必ず認められるとは限りません。間違った対応をすると炎上して被害が拡大する可能性もあるので要注意です。2ちゃんねるや5ちゃんねるで風評被害を受けた場合に備えて正しい削除の手順を知っておきましょう。
今回は2ch.scや5ch.netで誹謗中傷を受けた場合の対処方法を弁護士がお伝えしますので、悪質な誹謗中傷にお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
2ちゃんねる、5ちゃんねるとは
2ちゃんねるは、西村博之氏という方が創設した日本最大級のネット掲示板です。西村氏についてはYou Tubeやツイッターでも人気があるので、ご存じの方が多いでしょう。
現在は運営元が変わり、2ちゃんねると5ちゃんねるに分かれています。
2ちゃんねるは「2ch.sc」、5ちゃんねるは「5ch.net」のドメインを使用しています。
異なるサイトですが、両方にほぼ同じ内容が掲載されています。
現在は2ちゃんねると5ちゃんねるが併存している状態といえるでしょう。
2ちゃんねるや5ちゃんねるなどのネット掲示板では、「匿名」で投稿ができます。
そこで他人への迷惑行為を目的とした誹謗中傷が行われるケースも多く、個人名や電話番号、メールアドレスなどの個人情報を書き込みが行われることも多々あります。
また、インターネットの特性として世界中に発信されるので、誰が目にするかわかりません。誹謗中傷が行われると炎上して、急激に投稿内容が拡散されるおそれもあります。
誹謗中傷、名誉毀損などにつながる内容を書き込まれた場合には早急な削除対応が必須といえるでしょう。
2ちゃんねるや5ちゃんねるでよくある権利侵害のトラブル
- 悪質な誹謗中傷や個人攻撃をされた
- 他人に知られたくないプライベートな内容(浮気、不倫など)について書き込まれた
- 汚い言葉で罵倒された
- 個人の特定が可能な情報(実名、住所、親族の情報など)について書き込まれた
- 自分についての嘘の情報を書き込まれた
- 自社の情報が勝手に書き込まれている
- 自社に関して誹謗中傷が行われている(商品やサービスの悪口、虚偽のハラスメント被害など)
5ちゃんねるへの書き込みへの対処方法
5ちゃんねるで権利侵害を受けたら、まずは不当な投稿の削除請求を検討しましょう。
その上で、投稿者に対する損害賠償請求や刑事告訴も検討すべきです。ただし5ちゃんねるでは匿名で投稿されているケースがほとんどなので、投稿者を特定しなければなりません。
書き込みを削除する方法
5ちゃんねるにおける投稿を削除させるには、以下の3種類の方法があります。
メールでの削除依頼
まずはメールで管理人に対する削除依頼を出しましょう。
ガイドライン違反や権利侵害が行われている事実を理解してもらえたら、管理人によって削除してもらえる可能性があります。
ただし、削除されると権利侵害の証拠がなくなってしまうので、先にスクリーンショットを撮影したりプリントアウトして紙で保存したりしておきましょう。
5ちゃんねるが定める弁護士による削除依頼
5ちゃんねるでは「5ちゃんねるが認める弁護士」による削除依頼を受け付けています。ただし、誰が「5ちゃんねるが認める弁護士」なのかはわからないので、この方法は不確実です。
裁判所による仮処分
5ちゃんねるの管理人が対応してくれない場合には、裁判所で仮処分を行いましょう。
権利侵害を説明できると、裁判所が5ちゃんねる運営会社に対して削除命令を出してくれます。
発信者を特定して損害賠償請求をする
発信者の特定を行う
次に発信者(投稿者)を特定して損害賠償請求をしましょう。そうしないと、また同じような嫌がらせが繰り返されるおそれがあるためです。
以下では発信者特定の手順をご説明します。
- 任意開示請求
5ちゃんねるの管理人に任意で情報開示を行うように請求します。ただし個人情報を理由に断られるケースが多数です。
- 仮処分
任意開示されない場合には、仮処分を申し立てて発信者情報(IPアドレス)を開示させる必要があります。
- 発信者情報開示請求訴訟
仮処分によってIPアドレスが開示されたらそこからプロバイダを特定し、発信者情報(氏名・住所等)の開示請求訴訟を申し立てます。
- 判決
訴訟でもきちんと立証ができれば、裁判所が開示を命じる判決を出し、これにより発信者の氏名・住所を取得できます。
発信者情報開示後の法的手段の流れ
投稿者が明らかになったら、相手に内容証明郵便で損害賠償の請求書を送りましょう。
そのうえで相手と交渉して慰謝料を払ってもらいます。
2ちゃんねるへの削除依頼方法
2ちゃんねるの場合、5ちゃんねるとは異なる対応が必要です。5ちゃんねると2ちゃんねるは似ていますが異なるサイトだからです。
運営者も違うので、削除依頼を行うならまずは書き込みがどちらに書き込まれているのかは把握しなければなりません。
2ちゃんねるへの書き込みの削除依頼を行う方法は以下の2つです。
- 「削除要請板」または「削除整理板」を利用する方法
- 裁判所で仮処分の申し立てを行う方法
削除要請板や削除整理板を利用すると、削除請求したことが公表されてしまうので炎上原因になる可能性もあります。2ちゃんねるで削除依頼を出すなら仮処分を利用する方が良いでしょう。
なお、本人特定や特定後の損害賠償請求の流れについては5ちゃんねるとほぼ同様です。
2ちゃんねるや5ちゃんねるの削除依頼を弁護士に依頼するメリット
- ケースに応じた対応をとれるので被害拡大を防ぎやすい
- 再炎上のリスクを低減できる
- スピーディに削除してもらえる
- 法律の専門家に任せるので安心
- 仮処分や訴訟などの法的処分を利用できる
- 本人特定の対応も任せられる
- 特定後の損害賠償請求や刑事告訴も任せられる
- 自分で対応しなくて良いのでストレスがかからない
山口の弁護士法人牛見総合法律事務所ではネット誹謗中傷対策に力を入れて取り組んでいます。
2ちゃんねるや5ちゃんねるの誹謗中傷にお困りの方がおられましたら、お早めにご相談ください。