- 爆サイで自社に対する誹謗中傷が行われている
- 元従業員が爆サイに会社の悪口を書き込んだ
- 虚偽の投稿によって風評被害が発生している
- 自社が爆サイで炎上している
爆サイ(爆サイ.com)で悪口が投稿されたとき、放っておくとリスクが高まります。
爆サイはユーザーが非常に多く、地元に密着しているので風評被害による影響も他の掲示板より大きくなる可能性があるのです。
爆サイで悪評を投稿されたら、早急に削除や本人特定の手続きを進めましょう。
今回は爆サイで自社の悪口を書かれたときの対処方法を弁護士がお伝えします。
1.爆サイ.com(爆サイ)とは
爆サイ.com(爆サイ)は、ネット掲示板です。非常にユーザー数が多く、5ちゃんねる(2ちゃんねる)にも迫る勢いとなっています。
さまざまなスレッドが立っており、ユーザーが匿名で投稿できるので日々積極的に投稿が行われています。
2.爆サイの特徴
爆サイの特徴は、投稿やスレッドが地域に密着している点です。
全国の地域ごとにスレッドが分かれているので、投稿者や閲覧者は自分の関心のあるエリアのスレッドを選んで利用できます。たとえば地元の人だけが知る穴場スポットのように素晴らしい情報が出回ることもよくあります。
2-1.地元情報ならではの注意点
地元情報は人の関心も強くなるので、より拡散しやすい傾向があります。
また対象者が匿名であっても誰のことを言っているのか特定しやすい特徴もあります。
たとえば「〇〇小学校の××先生が不倫しているところを見た」という書き込みがあったとしましょう。すると、たとえ小学校名や教師の氏名が伏字になっていたり隠語になっていたりしても、書き込みの流れから「わかる人にはわかる情報」としてインターネットに出回ってしまう可能性が高くなります。
2-2.誹謗中傷が広まりやすく特定されやすい
自社への誹謗中傷が行われた場合にも、直接自社の名称が書かれていなくてもすぐにどの会社の悪口が言われているのかわかってしまうことがあります。
悪意のある書き込みは拡散しやすいので、放っておくと炎上してしまうリスクも発生するでしょう。
いわれのない悪口を投稿されたら、早めに削除すべきです。
なおネット掲示板での名誉毀損の投稿は違法行為であり、刑事罰の対象になります。名誉毀損罪など犯罪が成立する疑いがあることを理由に逮捕された事例も実際に存在します。
爆サイで他人を誹謗中傷してはなりません。
3.爆サイで誹謗中傷を行われたときの対処方法
爆サイで誹謗中傷されたときには、以下のように対処しましょう。
3-1.削除請求する
まずは風評被害の投稿を削除させるべきです。早めに消さないと転載されて拡散される可能性が高くなりますし、炎上リスクも発生します。
爆サイでは「削除依頼フォーム」を使って運営側へ削除の要請ができます。投稿内容が爆サイの禁止事項に該当する場合、削除人によって投稿が削除されます。
爆サイで削除依頼する場合の注意点
1回削除要請をしたら、72時間(3日間)は何もせずに待ちましょう。続けて同じ内容の削除依頼を出すと、妨害行為とみなされて削除依頼に応じてもらえなくなります。
また、削除依頼は「1つ1つのコメントごとに」しなければなりません。削除したい投稿が複数ある場合には、それぞれについて削除依頼を出しましょう。
任意削除に応じてもらえなければ仮処分の申立てを行う
運営側による任意の削除に応じてもらえない場合には、裁判所で仮処分の申立てをして削除の手続きを進める必要があります。仮処分として裁判所から削除を命じる決定が出たら、爆サイの投稿を削除してもらえます。
3-2.投稿者を特定する
爆サイで嫌がらせの投稿をされたとき、単に投稿内容を削除するだけでは不十分な場合もあります。投稿を消しただけでは、投稿者が似たような投稿を再び行うおそれが残るからです。「名誉毀損の投稿をしてもリスクがない」と思われると、次々に同じような嫌がらせが行われたり、嫌がらせがエスカレートしたりするリスクもあるでしょう。
爆サイで嫌がらせを受けたら、投稿者を特定してトラブルを根本から解決するのが有益です。展開によっては、慰謝料請求や売上低下分についての損害賠償請求も選択肢に入ってきます。
そのためにはまず、投稿者を特定しなければなりません。爆サイへ任意開示の要請をした上、多くのケースでは仮処分や訴訟等の裁判手続を通じて情報開示させる必要があります。
プロバイダ責任制限法に基づき、投稿者の氏名や住所、電話番号やメールアドレスなどの個人情報を得ることになります。
3-3.損害賠償請求を行う
相手を特定できたら、投稿の被害について解決を図ります。相手の対応が悪質であれば、損害賠償請求の手続を進めます。通常は内容証明郵便によって請求して支払を督促します。相手が無視する場合や払わない場合、訴訟を提起することになります。
合意で解決する場合には、「二度と○○社についての投稿はしない」と約束させると安心です。
4.削除請求や投稿者特定は弁護士に依頼すべき
爆サイで誹謗中傷を受けて困ったとき、自社で削除や投稿者特定を進めるのは困難です。
たとえば削除依頼を出すときには、具体的にどういった禁止行為・違法行為にどうして該当するのか、理論的に短く說明しなければなりません。仮処分や訴訟は裁判手続になるので、法的知識やノウハウがないとスムーズに進められないのが現実です。
自社で対応できなければ、弁護士に依頼しましょう。弁護士であれば爆サイへの削除申請だけではなく仮処分や訴訟などの裁判手続も安心して任せられます。自社で対応するよりも削除や本人特定に成功する可能性が高くなるでしょう。
ネット誹謗中傷対策業者は利用しない方が良い
ネット誹謗中傷を受けたときに「誹謗中傷対策業者」に依頼するのは得策ではありません。削除請求や本人特定手続などの弁護士業務は、個人でも法人でも弁護士以外の者が報酬を得て代行すると、「弁護士法」に違反する可能性があるからです。弁護士法違反は犯罪ですし、爆サイ側も「本人または弁護士以外からの請求」であると判明したら削除に対応しません。
爆サイで誹謗中傷を受けたときには、弁護士に依頼して早急に削除や本人特定を進めるのが一番安全で確実な対処方法といえます。
山口の弁護士法人牛見総合法律事務所ではネット誹謗中傷問題の解決に力を入れて取り組んでいます。お悩みの際には情報が拡散される前に、お早めにご相談ください。