誹謗中傷とは?被害に遭ったときに削除する方法について

ネット上で「誹謗中傷」されたら、拡散される前に削除すべきです。

以下で誹謗中傷とはどういったものなのか、誹謗中傷の投稿を削除する方法について弁護士が解説します。

 

1.誹謗中傷とは

誹謗中傷とは誹謗と中傷を組み合わせた言葉です。

「誹謗」は、悪口・陰口・誹りを意味します。

「中傷」は根拠なく名誉を傷つけることをいいます。

よって誹謗中傷の意味は「根拠なく名誉を傷つけるような悪口、陰口」といえるでしょう。

 

ネット上でも誹謗中傷が行われるケースが多々あります。

 

2.誹謗中傷と批判の違いとは

間違っている方も多いのですが、誹謗中傷と批判はまったく違います。

誹謗中傷は根拠のない悪口、容姿・性格の罵倒、脅し、プライバシーの暴露などであり、「受け手側からの反論を予定しない」特徴があります。内容が虚偽であるケースも多く、人格攻撃が含まれるケースも多数です。誹謗中傷が名誉毀損や侮辱などの違法行為となるケースも珍しくありません。

 

一方、批判とはものごとの良し悪しについて論じることを意味します。批判は情報の発信者と受信者が対等な関係で議論を交わすためのものなので「受け手が反論する」ことも当然予定しています。明らかな虚偽や人格攻撃を「批判」とはいいません。正当な批判であれば通常、違法行為にはなりません。

 

このように、誹謗中傷と正当な批判は大きく異なるので、間違えないようにしましょう。批判はしても良いですが、むやみに誹謗中傷するとトラブルのもとになります。

 

 

3.ネット誹謗中傷が社会問題になっている

現在ではネット上での誹謗中傷が散見されるようになり、大きな社会問題に発展しています。2020年には集団での誹謗中傷によって女子プロレスラーが自殺に追い込まれた痛ましい事件も発生しました。

諸外国でもネット誹謗中傷は深刻化しており、韓国では「指殺人」という言葉が生まれています。それほどに世界中でネット誹謗中傷が激しくなっているのです。

 

誹謗中傷のターゲットは個人だけではありません。Googleマイビジネスなどを使用して特定の店や企業へ誹謗中傷を行い、営業を妨げる事案も見受けられます。

 

4.誹謗中傷されたときのリスク

誹謗中傷されると、以下のようなリスクが発生します。

4-1.拡散されて炎上する可能性がある

ネット上でデマを流された場合でも、面白半分に拡散する人が少なくありません。

Twitterなどで情報が広まると、一気に炎上してしまう可能性があります。

炎上すると多くの人から人格攻撃を受けるなどして精神的に疲弊し、ついには自殺してしまう人も少なからず存在します。

 

4-2.信用が低下する

誹謗中傷の情報が流れると、周囲からの信用を失ってしまうおそれがあります。

たとえば「不倫している」と書かれたら、周囲に不倫がバレてトラブルになるリスクが発生するでしょう。

4-3.売上が低下する

企業の場合、誹謗中傷によって売上が低下するリスクも深刻です。悪口を信じた人がお店に来なくなったり商品を買わなくなったりする可能性があります。

4-4.離職者が増える、採用活動に影響が及ぶ

企業が誹謗中傷を受けると、社員のモチベーションが低下して離職者が増えたり採用活動に困難をきたしたりする可能性もあります。

 

5.誹謗中傷されたときに削除する方法

誹謗中傷されたら、すぐに問題の投稿を削除すべきです。以下で具体的な削除方法をご説明します。

 

5-1.サイト運営者へ削除を求める

まずはサイトやアプリの運営者、管理者へ直接削除を求めましょう。サイト利用のガイドラインに違反していれば、任意で削除に応じてもらえる可能性があります。

削除請求の方法はサイトによって異なります。専用の削除依頼フォームが設けられているケースも多いので、仕様に従って手続きを進めていきましょう。

 

5-2.仮処分申立てを行う

任意での削除に応じてもらえなければ、裁判所で仮処分申立てを行って削除請求しましょう。仮処分が認められると、裁判所がサイト運営者へ削除を命じる決定を出してくれます。

すると、速やかに対象の投稿を削除してもらえます。

 

5-3.違法な投稿は削除する権利がある

ネット上で違法な投稿をされた被害者には、名誉権その他の人格権侵害によって削除を請求する権利が認められています。泣き寝入りせずに弁護士までご相談ください。

 

5-4.投稿者を特定する

ネットで誹謗中傷を受けたとき、投稿者を特定すべきケースがよくあります。

単に投稿を削除しただけでは投稿者自身に直接の影響がなく、同じことが繰り返されるおそれが高いからです。相手を特定して、トラブルを根本から解決しましょう。

 

相手を特定するには、発信者情報開示請求を行う必要があります。運営側が開示に応じてくれない場合、仮処分や訴訟等の裁判手続を通して開示を実現することになります。

             

 

6.ネット誹謗中傷の削除を弁護士に相談

ネットで誹謗中傷された場合、個人・法人に関わらず、一度弁護士に相談してみることをお勧めします。以下で弁護士に依頼するメリットをお伝えします。

6-1.スピーディに対応できる

ネット誹謗中傷の案件には一刻も早く対応する必要があります。時間が経つとより広く拡散されて被害が大きくなる可能性が高いためです。

自分で対応するとどうしても手間取ってしまい、時間がかかってしまうでしょう。

弁護士に依頼するとスピーディに削除できるメリットがあります。

 

6-2.削除に成功しやすくなる

誹謗中傷の投稿を削除しようとしても、うまくいくとは限りません。

自分では運営側へ適切な説明ができず、削除に応じてもらえないケースも散見されます。

弁護士に依頼すると法律論にも依拠しながらガイドライン違反などを具体的にわかりやすく說明し、訴えてくれます。これにより、削除に成功しやすくなるメリットがあります。

 

6-3,裁判所の手続きも利用できる

ネット誹謗中傷の投稿を削除したり発信者を特定したりするには、最終的に裁判所の手続きを利用しなければなりません。仮処分や訴訟などの対応が必要となるので、一般の方にはハードルが高くなるでしょう。

弁護士に依頼すると裁判所の手続を簡単に利用できます。削除や投稿者特定を実現するために複雑な作業やハードルをどうやってクリアしていくか、検討を任せることができるので、被害者本人に手間が掛かりません。相手を特定できた後の損害賠償請求も依頼できます。

 

山口の弁護士法人牛見総合法律事務所ではネット誹謗中傷案件に力を入れて取り組んでいます。被害に遭って困ったときには、炎上してしまう前にお早めにご相談ください。